2015年9月3日木曜日

エンブレム

9月1日、東京オリンピック組織委員会は、佐野研二郎氏が手がけた、
東京オリンピックのエンブレムの使用中止を発表した。

しかし、わからないのは、その理由。

ネットによる誹謗中傷が、その一因だというのだ。

一連の報道を見る限り、一因と言うより、主因と言う感じがする。

佐野氏自身が「ネットによる誹謗中傷に耐えられない」そう、受け取れたのだが、違うのだろうか。

家族、親族、会社のスタッフらに対する誹謗中傷は自分に対するものより、
受けるダメージが自分自身に対するものより、ひどいと思う。

「国民に支持されないデザインではいけない」というのも、佐野氏の判断である。

国民に支持されているかいないかは、世論調査とかしたわけではないので、わからないと思うのだが、
「佐野氏からこう申し出があった」と言う理由で、組織委としても、それも理由としている。

少なくとも、私は、このエンブレムを支持するつもりであった。

あくまで、おそらくではあるが、佐野氏のデザインに法的な問題点はない。

いろいろ言われているが、マスコミで報道される識者の意見を聞いていみても、
デザイン自体に、法的な問題点はなさそうに思える。

ならば、組織委員会はなぜ、このエンブレムで行くと言えなかったのか。

確かに佐野氏の脇の甘さは、プロとして問題だと思う。

それが、佐野氏による「白紙撤回申し出」につながったのだろうけれど、
組織委がそれを受けて、中止にするというのはどうなのだろう。

もちろん、選ぶ段階でこのようなことが起こるなんて想定できないだろう。

でも、選ぶときの「責任」や「覚悟」は、必要ないのだろうか。

また、デザインそれ自体がすばらしい、と惚れ込むものはないのだろうか。

それがないのであれば、何度やり直しても同じだと思う。

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