9月1日、東京オリンピック組織委員会は、佐野研二郎氏が手がけた、
東京オリンピックのエンブレムの使用中止を発表した。
しかし、わからないのは、その理由。
ネットによる誹謗中傷が、その一因だというのだ。
一連の報道を見る限り、一因と言うより、主因と言う感じがする。
佐野氏自身が「ネットによる誹謗中傷に耐えられない」そう、受け取れたのだが、違うのだろうか。
家族、親族、会社のスタッフらに対する誹謗中傷は自分に対するものより、
受けるダメージが自分自身に対するものより、ひどいと思う。
「国民に支持されないデザインではいけない」というのも、佐野氏の判断である。
国民に支持されているかいないかは、世論調査とかしたわけではないので、わからないと思うのだが、
「佐野氏からこう申し出があった」と言う理由で、組織委としても、それも理由としている。
少なくとも、私は、このエンブレムを支持するつもりであった。
あくまで、おそらくではあるが、佐野氏のデザインに法的な問題点はない。
いろいろ言われているが、マスコミで報道される識者の意見を聞いていみても、
デザイン自体に、法的な問題点はなさそうに思える。
ならば、組織委員会はなぜ、このエンブレムで行くと言えなかったのか。
確かに佐野氏の脇の甘さは、プロとして問題だと思う。
それが、佐野氏による「白紙撤回申し出」につながったのだろうけれど、
組織委がそれを受けて、中止にするというのはどうなのだろう。
もちろん、選ぶ段階でこのようなことが起こるなんて想定できないだろう。
でも、選ぶときの「責任」や「覚悟」は、必要ないのだろうか。
また、デザインそれ自体がすばらしい、と惚れ込むものはないのだろうか。
それがないのであれば、何度やり直しても同じだと思う。
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