参議院でも安保法案が可決した。
もともと60日ルールを使えば、参議院を無視することもできた中での採決だから、
いずれにしろ、結果ありき、での議論ではあったのだろう。
それにしても、この法案については、いろいろ考えさせられた。
国防についてどうあるべきかだ。
ひとつは個別的自衛権を押し進めて、スイスを理想とするような、永世中立国。
でもこれは、徴兵制など、相当の軍事力の強化が必要となり、
例えば、いまのままでは、尖閣諸島などで起こりうる中国との対立には、後ろ盾にならない。
だから、南沙諸島における東南アジアの国々とともに、米軍の力を借りて、中国に対抗する。
もちろん、日本は憲法9条があるので限定的な役割しか果たせないが、後方支援などで貢献できる。
そういうことだろう。
もうひとつの理想は集団的自衛権をおしすすめて、国連軍(無国籍軍)を有効に利用することだ。
日本人が国籍を離脱して、国連軍に入り、世界の警察になるというもの。
しかし、これは国連軍がどの他の国の軍隊よりも圧倒的に強力でなければならないし、
5大国に問題が生じた時にも動かせるだけの、強力な権力が必要である。
そんなことが現実化するわけがない。すくなくとも当面は。
世界の警察をお願いできるのは、結局、アメリカしかなく、
そのアメリカ軍も、だんだん内向きになりつつあるし、中国やロシアが台頭しつつある。
ウクライナのクリミア半島にしても、南シナ海の南沙諸島にしても、その軍事力が背景にある。
こうした問題に対して、日本はかかわらなくていいのだろうか。
それぞれ、北方領土や尖閣諸島と関わってこないのだろうか。
日本国憲法がどうあれ、国連憲章は集団的自衛権を認めている。
また、こうした対外的な問題は、戦争という武力を用いなくても、
外交の力で解決するべきだという、考え方もある。
しかし、外交努力で北方領土が日本に返ってくるのだろうか。
ロシアは北方領土は、戦争の結果で得た領土だと言いはっている。
クリミア半島にしても、外交努力で得たとは思わない。
現実はそうなのである。
安保法案で戦争を抑止するより戦争に巻き込まれるリスクは増えるという。
それは確かにそうなのかもしれない。
戦国の世を平和な世の中にしたのは、信長、秀吉、家康。
平和のためには、軍事力がまだまだ必要だと思う。
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